PL対策の定義
「人の生み出したものは全てProduct」とし、廃棄されるまでその責任は生産販売した事業者の責任である。その責任を達成するために、日本では「消費者基本法第5条」に定められたことを順守するために、生産もしくは輸入販売した事業者が消費者安全に取り組むことをPL対策とします。
一般社団法人APL-Japan
世界で起きていること、国内への影響に注⽬してください。
製品の安全品質の世界の動向について
製品の品質において市場での安全を確保することが第一です。
そのために源流管理を徹底し、モニタリング、テスト、データ管理など、多岐に渡り多くはJIS、ISOなどでルール化されています。これにより日本製品の信頼性として世界で高く評価されてきました。
一方、グローバル化した産業構造になり、さらにリチウムイオン電池など、高性能でもはや日常生活にも欠かせないものでの重大事故が相次いています。これは日本だけでなく世界共通の問題となり、今回のEUでの大きな規制転換にて、市場の安全確保が進んでいます。
40年ぶりのPL法改訂について
欧州連合(EU)は、製品安全・消費者保護に関する法制度を包括的に見直し、「一般製品安全規則(GPSR)」および「改正製品責任指令(PLD)」を導入しました。
これにより、製造者・販売者・オンラインプラットフォームにまで法的責任が拡張され、消費者安全の実効性を高める「法制度のデジタル化」が進行しています。
GPSR
General Product Safety Regulation
製品の安全品質を決定する技術基準
PLD
Product Liability Directive
PSに定められた技術基準で製品欠陥を決定する被害者救済法
EUでの2024年12月13日発令の一般製品安全規則(GPSR:Regulation EU 2023/988)は、非食品の消費者向け製品に適用されるEUの新しい「基本的な製品安全ルール」です(特定の分野別EU法で十分にカバーされていないリスクを対象)。
これまでのPSとPLは1985年のEC指令によるもので、それが今回これまでとは全く構造の異なる大きな改訂となりました。
グローバル企業などはEUが下記を強く求めるようになった点に注目してください。
- 製品デジタルトレーサビリティの実装:目的は実質的な消費者の安全確保です。
- 越境EC、マーケットプレイスなどの規制強化:違反品などの排除
- 使用者に迅速に直接安全情報の通知責任
- EU域内の責任主体(連絡先)の明確化
EU向け製品安全は「書類だけ整えればよい」時代ではなくなりました。
輸出入事業者の責任の大幅な拡大
次のいずれかに該当する場合もGPSRの影響を受けます。GPSRでは、こうした事業者の義務を明確に強化しています。
- EUで消費者向け製品を販売している(D2C、代理店経由、マーケットプレイス経由を含む)
- EU域外からEUに直接出荷している(越境ECや小口配送を含む)
- EU域内のフルフィルメントを利用している、またはオンラインマーケットプレイスに出品している
- リコールも実質的に直ちに消費者に伝えなければならない
- そのために実質GTIN+Lot(GS1ルール)の出荷管理は義務化
国内法も変わりました
2025年12月25日、製品安全4法が改正され、日本にPSマークが必要な特定製品を越境ECなどを通し直接販売する「特定輸入事業者」事業者に対して「国内管理人」の選任が義務付けられました。
海外事業者が製品安全4法の規制対象となりました‐経済産業省のページ
国内管理人はPL法などの責任はありませんが、輸入販売事業者や国内の製造販売事業者は責任主体として国内管理人同様の責任が明確になりました。
従来のPS申請、マーク表示と新たに出荷後の消費者安全確保の義務強化が開始されています。


体制の整備
上図は「最新!PL対策解説書2022」の製品事故未然防止・再発防止を実現するための体制整備を示した図です。 これまでのような垂直構造の体制整備から、情報を経営から各部署が共有し、効率よく水平構造の製品のP(企画)~D (設計)~C(製造)~A(品質保証)を機能させ、会社、外注先、販売先、さらに最も大切な市場のお客様の安全を確保すること、さらにそのための継続的な人材育成、教育、最新の情報の取得などが重要になります。
モバイル社会であること、テレワークも当たり前の社会、これからはメタバースの様なバーチャルリアリティも視野に入れた体制整備の更新が急務です。これができないと、取扱説明書も改善できず、結果として、表示欠陥、クレームの増加、市場対応の遅れといった、経営の根幹に影響します。
体制整備を含めた最新のPL対策を「PL検定」を利用した専門家育成プログラムで学びましょう。
リスクコミュニケーションがこの先の繁栄を支える
- 異常や不具合情報の取得(発見)
- 製品の適正な寿命がきたら確実に伝える
- 迅速なリコール告知で使用中止を伝える
- 流通段階での不良品の発見方法の確立
- 異常をリアルタイムに通知する手段の確保
- 各プロセスのデータ解析によるリアルタイムの状況監視と対応
このような課題を解決するため、世界標準のグローバルなユニークコードを利用した世界初の安全点検アプリ「すこどっと」を実装しました。
PL法を正しく理解すること
店舗、事務所、行政施設など様々な場所で業務用機械が使われています。施設の天井につけたプロジェクターの落下など、これらが万一トラブルを起こし消費者を含め損害が生じれば、まずはPL法による「通常有すべき安全性に欠けている」ことや不法行為として、設置・保守点検事業者やメーカー、輸入元の責任を問われます。事業所の施設などでは、そのことにより、営業ができなくなることなどの拡大損害も生じ、賠償額は巨額になります。
製品自主回収・リコールを正しく理解すること
消費生活用製品ではないから、として専門家しかわからないマニュアルを改善しないでいることや、事故の発生や再発を防止するための是正処置(自主回収やリコール)を正しく理解しないで、ただ回収やリコールを行うと公表してそのまま消費者市場での製品回収などを実施、ISO/IEC Guide51に示される「許容できるリスクにする」ための正しい是正処置を行わないケースが多発しています。
まずは、自宅や会社の製品の安全点検をしましょう。
ではどうやって多様なものの点検を行うのか、ここがいつも曖昧になっています。
天井につけた照明器具や換気装置、エアコン、そして厨房のコンロや調理用家電、調理用機器、さまざまな機械器具、さらに多くのブランドなどがあり、点検時期を過ぎたもの、設計寿命を過ぎで経年劣化によるトラブルの可能性のあるもの、時に製品リコール対象品もあります。これでは掛け声だけになり、使う側、消費者には点検する方法がなく「点検詐欺」も出ています。
具体的な安全点検ができる設計を行うこと
ではその対策は無いのでしょうか。本会はそれを実現するための方法を具体的に示していつでもすぐに利用できるようにしています。
- 取扱説明書の見直しとそれをいつでも利用者が探さずに見られること
- 点検時期や寿命、リコール中のことなどを製品そのものでわかること
- その対応も直ちに簡単に正確にモバイルで行えること
このようなことを行うにも日頃から製品設計に「製品トレーサビリティ」を組み込み、製品ユーザーと直接リスクコミュニケーションのできることが重要です。
食品関連メーカーなどの食品安全強化法対策に
米国では食品安全保障としてバイオテロを鑑み米国内での安全確保について関連法の整備を進めているようです。JETROの情報からは、加工事業者が生産物などの原材料やその加工工程における異物混入、特に悪意のテロ行為としての毒物などの混入に対することとして一次生産品のトレーサビリティを求めており、万一テロも含めその食品被害が生じた場合は、その体制整備の脆弱性を根拠として介入する方向のようです。
よって、異常が発見された後の対応の遅れでの特に今もできていない消費者とのリスクコミュニケーションが問題になってきます。食品業界のリコールは、自主回収としていることから、回収率などの報告義務もありません。今後はそれらも含め科学的根拠のあるデータを求められると思われます。
本会の「安全点検アプリ」はそれらにも対応するためのものであり、「GS1 Anbition2027」によりJANの2次元化移行を視野に入れたものです。このため本年度から食品加工機械器具、食品などの分野への普及を進めてまいります。


