2024.5.1 本日より当団体の名称は一般社団法人APL-Japanとなりました。
急速な円高は30年以降前の水準になりインバウンド効果はあるも食品から電気製品、部品などの多くを輸入に依存する国内産業はコスト高となり大変厳しい状況になっています。
当団体は日本で唯一のProduct Liabilityを標榜していますが、多くの方は司法分野のPL法のイメージが多いと思います。現実は輸入、製造、流通小売に深く関わりますが、超スマート社会になりこれまでの対策の効果が薄れ、大きな被害を伴っており、さらにデジタルプラットフォーマーの影響、情報品質とその責任も世界でも大きな問題になっています。
2015年に法律家、経済、リスク、保険の専門家、技術者、研究者や様々な団体の皆様により一社)PL研究学会を設立、その後製品の品質管理の一環である自主回収、リコールの問題を解決する方法として特にB2C製品デジタルトレーサビリティの対応システムを開発、公表してきました。
海外、特に北米での食品安全強化法(FSMA)204条は今回の製薬会社の紅麹の原料やサプリが現地で販売されていたら規制対象となる可能性の高い事案です。5名が亡くなり多くの方は肝機能障害で苦しんでおりますが原因究明ができるかは不明であり、その状況での「再発防止」は困難であり、米国であればその事業者の体制整備の脆弱性として解決するまで全ての製品の製造販売ができなくなります。2026年には24時間での対応が求められます。時を同じくして流通システムの自動化に欠かせないバーコードの2次元シンボル利用が加速しています。
そして、昨年末にはEUにてPL法理(法律の根拠となる事項)が公表され各国の政治的合意がされたとのこと、国内では消費者庁徳島の研究機関でPL法改正の論議が行われていると思われます。
これらから
- デジタルプラットフォーマーによる対応強化の影響
- EU内に輸入代理店や支店、関連会社などがない場合は輸出した国の包装、パッケージした事業者がその責務を負う可能性が高くなったこと。
- 流通小売の自動化が進むに際しGS1 2Dの利用(流通小売の食品ロスやPOSレジ自動化)が促進し、すでに日本でもラベル印刷機器などが生産されており、今後の国内外での流通小売側の影響。
- 食品などは食品衛生法や消費者庁のリコールデータベースへの届出義務化(原因不明であっても直ちに報告する義務)、表示に関する規制強化が現実となり、もはやトレーサビリティが確認できないものの輸出だけでなく国内でも社会の要求は厳しくなります。
- 経産省製品安全4法の改正による規制強化が進んでおり、原因究明・市場の被害の未然防止/再発防止としてリコールの精度を高めるために製品トレーサビリティが必須になるようです。
以上のように「品質安全の異常が発見された場合の科学的根拠のある回収の効率化で消費者市場での被害未然防止を行える体制整備」が求められることが明確になり、選択の余地がなくなったことになります。
さらに経営戦略としてもCookieの利用規制の強化でこれまでの個人情報や個人属性情報の利用が難しくなりデジタルマーケティング手法の大幅な見直しが必要になりました。企業経営に直結する課題を解決するためのシステムですが、これまでの体制の改革が必要になります。それには教育から始まり例えば取説や商品情報の表示などのコンプライアンスチェックを行い社内規定の改善などが必要で、現時点で今これらに対応できるのはAPLだけであります。また、ロット管理や保管情報の整理、GS1アプリケーション識別子の利用など、事業規模が大きく扱い商品の多さ、種類の相違などを俯瞰的に判断しアドバイスするコンサル的人材の育成が重要になりました。
昨年公表したscodt cloud ver2.0移行と仕様について本日更新しました。詳細を記載していますので、ぜひご確認いただき、ご意見、要望などをお聞かせください。
以上のことを総合して、これから食品関連事業者団体の皆様などでのシステムの利用事例を増やし、2025年3月までの短い期間での実績を皆様のご支援のもと上げて参ります。
今後冒頭にお伝えした法律などが現実になるほどに市場ニーズとして「安全確保のためのトレーサビリティ」は必須になり、皆様の良きパートナーになれるよう、新たな組織、一社)APL-Japanを皆様のご支援をいただき社会システム提供団体となれるよう全力で取り組みます。
尚、本部を東京に移転しました。事務局は従来通りです。
2024年5月1日
一般社団法人 APL-Japan (旧 PL対策推進協議会)
会長 渡辺 吉明
本店所在地 東京都板橋区氷川町47-4 アビタシオンK 1F
事務局 宮城県仙台市太白区恵和町35-28